機能性分散液
機能性を有する顔料やフィラーを微粒子化分散液のことで、広義では導電性、絶縁性、防眩性、防汚性、隠蔽性など何らかの機能を持つ微粒子分散液などを指しますが、トクシキではより特殊な機能を持つものを特に機能性分散液と呼びます。
機能性分散液概要

ここでは選択的に特定の波長をもつ光を透過する「近赤外透過ブラック分散液」や「UV透過ブラック分散液」、導電性や絶縁性を持つカーボンを分散した「導電性カーボンブラック分散液」や「絶縁性カーボンブラック分散液」、その他特徴的な性質を持つフィラーを分散した開発品などをご紹介します。
機能性分散液特長
- トクシキの機能性分散液は均一に分散され、経時安定性に優れます。
- トクシキの機能性分散液は自由度の高いフォーミュレーションが可能で、電子材料、インキ、塗料、産業資材等様々な分野で使用でき、用途に応じてカスタマイズ可能です。
機能性分散液ラインナップ
近赤外透過ブラック分散液
黒色である特長と近赤外領域の光を透過する特長の2つを持つ顔料を微粒子化した分散液です。したがって、下地の隠蔽や遮光性の機能を持ちながら近赤外領域の光をセンシングすることが可能です。また、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂などの樹脂や各種溶剤または水との相溶性があることも特長の一つです。
用途として、電子材料向け黒色塗料またはインク、黒色レジスト、IR用センサーなどに最適です。

IRBK-0003 50%:近赤外透過ブラック分散液 顔料濃度50%(塗膜中)
CB 50%: 一般的なカーボンブラック分散液 顔料濃度50%(塗膜中)

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UV(紫外線)透過ブラック分散液(開発品)
黒色である特長とUV(紫外線)を透過する特長の2つを持つ顔料を微粒子化した分散液です。したがって、下地の隠蔽や遮光性の機能を持ちながらUV(紫外線)をセンシングすることやUV(紫外線)硬化させることが可能です。また、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂などの樹脂や各種溶剤と相溶性があることも特長の一つです。
用途として、電子材料向け黒色塗料またはインク、黒色レジスト、UV(紫外線)硬化型インク、UV(紫外線)センサーなどに最適です。

IR 35%:近赤外透過ブラック分散液 顔料濃度35%(塗膜中)
CB 35%: 一般的なカーボンブラック分散液 顔料濃度35%(塗膜中)
無機フィラー分散液(開発品)
各種機能性を持つ無機フィラー(無機酸化物)を、均一に分散させた無機フィラー分散液です。
ベースとなる塗料やコート剤、粘・接着剤に添加するだけで、各無機フィラーが持つ機能を容易に発現する事が期待出来ます。また、以下の無機フィラー種以外でも、ご要望に応じ、各種無機フィラーの分散検討が可能です。
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無機酸化物種 | 分散液(非水系) | 分散液(水系) | 想定用途 |
---|---|---|---|
TiO2(酸化チタン) | 9060TO | 9061TO | UVカット |
TiO2(酸化チタン) | 9060TO | 9061TO | 高屈折率 |
BaTiO3(チタン酸バリウム) | 9056BT | 9057BT | 高誘電率、高屈折率 |
SiO2(シリカ) | 9064SO | 9065SO | 耐擦傷 |
ZnO(酸化亜鉛) | 9058ZO | 9059ZO | UVカット、放熱 |
導電性ZnO(酸化亜鉛) | 9407ZO | 9406ZO | 導電性 |
ATO(酸化錫) | 9751SN | 9387SN | 導電性 |
PTO(酸化錫) | 9748SN | 9747SN | 導電性 |
導電性酸化チタン | 9339TO | 9340TO | 導電性 |
ZrO(酸化ジルコニウム) | 9742 ZR, 9743 ZR | 9631ZR | 高屈折率 |
MgF2(フッ化マグネシウム) | 9076MF | - | 低屈折率 |
AlN(窒化アルミニウム) | 9066AN | - | 放熱 |
MgO(酸化マグネシウム) | 9082MO | - | 放熱 |
MgCO3(炭酸マグネシウム) | 9217MC | 9397MC | 放熱 |
Al(OH)3(水酸化アルミニウム) | 9215AO | 9216AO | 放熱 |
Al系複合酸化物 | 9206, 9208, 9210DO | 9207, 9209, 9211DO | 放熱 |
BN(窒化ホウ素) | 9602BN | 9626BN | 放熱 |
カオリン | 9203KA | (開発中) | ガスバリア |
板状ベーマイト | 9204BE | (開発中) | ガスバリア |
導電性カーボン分散液
ウレタン、アクリル、フッ素、ポリエステルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持ち、それらを使用した成型体または塗工対象物に導電性を付与させることができます。
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UV硬化型蓄光分散体(開発品)
蓄光顔料をアクリルモノマーに高濃度(約50%)で且つ均一に分散した分散体です。
分散することによって、薄膜かつ均一な塗膜を形成できます。
無溶剤UV硬化タイプのため、UV硬化のみで硬化できるため省エネルギー製品です。耐熱性・耐溶剤性の弱い基材(紙など)にも有効です。

導電性酸化チタン分散液(開発品)
樹脂を使用せず、分散剤/溶媒で酸化チタンを分散させた 導電性酸化チタン分散液です。 ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持ち、それらを使用した成型体または塗工対象物に導電性を付与させることができます。

CNT(カーボンナノチューブ)分散液(開発品)
ウレタン、アクリル、フッ素、ポリエステルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持ち、それらを使用した成型体または塗工対象物に導電性を付与させることができます。
中国化審法への対応も可能な製品もラインナップされています。

透明導電性分散液(開発品)
導電性フィラー(酸化亜鉛、ATO・PTO)を、分散剤/溶媒で分散させた分散液です。 ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各種塗料に添加して塗工することで、帯電防止性能を 付与させることができます。

UVカチオン/アニオン/フロンタル重合向けエポキシ/オキセタン/ビニルエーテル媒体各種機能性フィラー分散液(開発品)
トクシキではお客様のご要望に応じてラジカル重合だけではなく、カチオン/アニオン/フロンタル重合などから硬化システム選択、さらにエポキシ/オキセタン/ビニルエーテルから媒体を選択をいただき、そこへ各種機能性フィラーを均一に分散させることが出来ます。

低誘電率ブラック(黒色)分散液(開発品)
トクシキの低誘電率ブラック分散液は、一般的な黒色ナノ粒子(カーボンブラック)よりも低誘電率化の観点で大きな優位性があります(誘電率を低く維持することができます)。 ポリイミド(PI)や液晶ポリマー(LCP)等の低誘電率材料(ワニス等)への意匠性(黒色)付与、回路隠蔽等を想定し、NMP/DMAcを主溶剤として分散(および相溶性合わせ込み設計)をしております。 トクシキでは、ご要望に応じて各種(ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等)カスタマイズ可能です。

高濃度低誘電率フィラー分散液(開発品)
「低誘電率化」実装させるフィラー種として球状シリカや球状ナノ窒化ホウ素が注目されています。球状シリカは電子材料、特に半導体などを保護するフィラーとしてよく用いられておりますが、特殊な球状シリカを用いることで「低誘電率化」を実装させております。 また窒化ホウ素は熱伝導性に優れた物質として有名ですが、同時に優れた絶縁性、低誘電率を持っております。(六方晶)窒化ホウ素は鱗片状ではなく球状ナノ粒子である為、低誘電率の他に異方性の制御を必要としない放熱が期待できます。 トクシキではこれらのフィラーを低誘電率を実現させるフレームワークに高濃度分散させた「高濃度低誘電率フィラー分散液」を開発いたしました。

抗ウィルス・抗菌剤分散液(開発品)
トクシキの抗ウィルス・抗菌分散液はウィルスや細菌を不活性化させる効果があります。 無機系の光触媒フィラーを使用しており、可視光の環境下や光のない場所でも十分な効果を発揮します。 各種樹脂溶液や各種溶剤に幅広く相溶し、お客様が加工しやすい液状でご提供いたします。

膨張化黒鉛分散液(開発品)
- 熱伝導性および電導性に優れた膨張化黒鉛の分散液です。
- AUP-5000は溶剤系の組成です。
- グラファイトに比べて粒子径が小さいため、均一かつ薄膜塗布が可能です。

液状ジオール/ポリオール媒体各種機能性フィラー分散液(開発品)
- トクシキでは液状ジオール/ポリオールを媒体とした各種機能性フィラー分散液を開発いたしました。
- 液状ジオール/ポリオール媒体各種機能性フィラー分散液は均一で経時安定性が良好です。
- イソシアネートとのウレタン反応(硬化)等、液状ジオール/ポリオール媒体各種機能性フィラー分散液を用いることにより、無溶剤型の様々な機能性材料の設計が可能です。

UV コート向けZrO2⾼屈折率分散液(開発品)
- ZrO2 フィラーと高屈折率アクリル樹脂(当社製HR-UV)の使用で、高い屈折率(計算値1.70)が期待できます。
- HR-UV に含まれるシリコン成分によって防汚性の向上も期待できます。
- 可視光に吸収がほとんどないため、各種染料を組み合わせることによって光学フィルター向けの用途が期待できます。
- 高フィラー濃度かつ低粘度、紫外線により低温硬化できるためハンドリング性に優れます。

チタン酸バリウム分散液(開発品)
- トクシキでは酸化チタンと比較して高い透明性と酸化ジルコニウムより高い屈折率が期待できるチタン酸バリウムを分散したチタン酸バリウム分散液を開発しました。
- 水熱法で製造されたチタン酸バリウムを使用しているため、1次粒子が非常に細かく形状がそろっているため分散体としての粒度分布も非常にシャープになっています。
- トクシキのチタン酸バリウム分散液は高い透明性を有し、水系・溶剤系ともに低粘度であるためハンドリング性に優れます。
- これまで課題だった透明性を改善しつつ高屈折率フィラー含有率が高い分散液(当社比4倍)新登場!!

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ラインナップ | 特徴 |
---|---|
(新製品)A112BT | チタン酸バリウム分散液(高濃度溶剤系) |
9714BT | チタン酸バリウム分散液(溶剤系) |
9704BT-W | チタン酸バリウム分散液(水系) |
IR(赤外線)透過無機ブラック分散液(開発品)
- 可視光は遮蔽、近赤外領域に透過のピークがあります。
- 低粘度かつ適度な微粒化により遮光性が良好です。
- 特定の近赤外線レーザーの選択的透過センサー等への使用が期待できます。

CTO(セシウムドープタングステン酸化物)分散液(溶剤系)(開発品)
- ITO/ATOに比べて太陽光の熱量の高い波長をカットできるのが特徴です。
- 可視光部分については十分な透過率があります。
- 粉砕で微粒化したCTOを使用をしてないため、1次粒子が非常に細かく形状がそろっており、高濃度かつ低HAZEな塗膜特性が期待できます。
- 低粘度な溶剤系のため、既存のコート剤に組み込み易くハンドリング性に優れます。

酸化セリウム分散液(溶剤系)(開発品)
- トクシキの酸化セリウム分散液は、下記の問題点を解決するアイテムとなります。
- 紫外線吸収剤がコート剤に混ざらない→溶剤系の分散液のためコーティング剤への混合が容易
- 紫外線をカットする濃度にすると、コーティング膜が不透明になってしまう→粒子が細かいため可視光線領域(400-780nm)の透過率が高い

高濃度CNT(カーボンナノチューブ)分散液(開発品)
- トクシキの高濃度CNT(カーボンナノチューブ)分散液は、下記の問題点を解決するアイテムとなります。
- 易破断面を有するため、通常の多層CNTより分散性が良好かつ高濃度化も可能。
- 微粒化しても通常の多層CNTと遜色ない導電性を有します。

熱線透過ブラック分散液(開発品)
- トクシキは遮光性を維持しながら、熱線(近赤外線)の活用が可能な熱線透過ブラック分散液(開発品)を開発いたしました。
- 遮光性を保ちつつ、熱線(780~2500nm)を透過します。
- 自然な黒を表現でき、意匠性にも優れます。
- 有機顔料を使用しているため、高い絶縁性を示します。

ブルーライトカット分散液分散液(溶剤系)(開発品)
- トクシキは紫外線領域からブルーライト領域まで幅広くカットが出来るブルーライトカット分散液(溶剤系)(開発品)を開発いたしました。
- 透明性が高く、紫外線領域からブルーライト領域まで幅広くカットが出来ます。
- 自然な黒を表現でき、意匠性にも優れます。
- 幅広い樹脂系のコート剤に容易に相溶し、加工性に優れます。

IR反射無機フィラー分散液(開発品)
- トクシキは近赤外線(熱線)を反射する特長を持つIR反射無機フィラー分散液(開発品)を開発いたしました。
- 分散剤と溶媒で近赤外を反射する無機顔料を分散させた分散液です。
- 近赤外領域での反射率が高いため、高い遮熱効果が見込めます。
- 無機顔料のため耐薬品性、耐候性に優れます。

クリアブラウン分散液(遮光用)(開発品)
- トクシキは紫外線領域からブルーライト領域までの幅広い波長のカット、薄膜での効果、樹脂との相溶性に優れた「クリアブラウン分散液(遮光用)」を開発いたしました。
- ブルーライト領域までの光をカットします。
- 幅広い吸収帯を持つ無機金属酸化物を微粒化することで、クリアな視界を確保します。
- 幅広い樹脂、溶剤系コート剤に使用出来ます。
- 紫外線を嫌う保存容器や資材に塗布することで、紫外線劣化を抑制します。

ガス吸着フィラー分散液(開発品)
- ガス吸着フィラー分散液は吸湿性能に優れ、空気中の水蒸気が増えると水蒸気を吸着し、一定の温度を超えると放湿します(調湿)。
- 水系や溶剤系の各種コート剤にドーピングすることで、吸湿性やガス吸着性を付与することができます。
- ガス吸着フィラー分散液は水系や溶剤系のバリエーションを持ち、加工性に優れています。耐久性やメンテナンス性が良好です。
- トクシキでは水蒸気をはじめとした一部のガスを吸排湿することが出来る「ガス吸着フィラー分散液(開発品)」を開発いたしました。

炭化ケイ素(SiC)分散液(開発品)
- 粘度が低いため作業性に優れています。
- 分散液であるため、粉体に比べハンドリング性に優れます。
- 炭化ケイ素(SiC)は微粒子化されているため、より緻密な構造体への適用が期待できます。
- フィラー分が高濃度なため、設計の自由度が高く、少量でも効果が期待できます。
- トクシキでは「炭化ケイ素(SiC)分散液」を開発いたしました。その特徴は

LIB向け高濃度CNT分散液(開発品)
- 独自処方にて高濃度化を行い、量産を見据えた条件で分散液を作製しました。
- スラリーの粘度を維持しつつ、多層CNTの高充填化が可能です。
- トクシキでは「LIB向け高濃度CNT分散液」を開発いたしました。その特徴は

LIB向け高濃度SWCNT分散液(開発品)
- 独自処方にて高濃度化を行い、量産を見据えた条件で分散液を作製しました。
- スラリーの粘度を維持しつつ、単層CNTの高充填化が可能です。
- トクシキでは「LIB向け高濃度SWCNT分散液」を開発いたしました。その特徴は

高屈折率・無溶剤チタン酸バリウム分散液(開発品)
- フィラー含有量が40%と高濃度でかつ無溶剤です。
- 溶剤を使用していないため乾燥工程を削減でき、VOC対策にもなります。
- 分散液の屈折率を高くするため高屈折率のアクリレートモノマーを使用しています。
- トクシキでは「高屈折率・無溶剤チタン酸バリウム分散液」を開発いたしました。その特徴は

UVカット透明酸化鉄分散液(開発品)
- ディープ紫外線を含むUV-A全域(315~400nm)をカットします。
- 酸化鉄であるため耐候性が非常に優れています。
- 塗料化後の貯蔵安定性に悪影響のある不純物が非常に少ない顔料を使用しています。
- 微粒子化技術により透明性を高め、素材の風合いを生かした加飾用途にも使用できます。
- 水系のため、VOC対策にもなります。
- トクシキでは「UVカット透明酸化鉄分散液」を開発いたしました。その特徴は
