
チタン酸バリウムは、高屈折率と高誘電率という二つの特徴があります。トクシキでは、その高誘電率を活用したMLCC(積層セラミックコンデンサ)向け微粒化チタン酸バリウム分散液を開発しました。この記事では、この分散液の特徴や種類、用途について紹介します。
MLCC向け微粒化チタン酸バリウム分散液とは?
MLCC(積層セラミックコンデンサ)は、電子機器に欠かせない重要なコンポーネントです。これらのコンデンサは、複数のセラミック層と金属電極が積層された構造を持ち、電気を蓄えたり、電圧を安定させたりする役割を果たします。MLCCは、そのコンパクトなサイズ、高い信頼性、低コストから、スマートフォン、コンピュータ、自動車、医療機器など、幅広い用途で使用されています。
MLCCのセラミック層で用いられている代表的な材料として、チタン酸バリウムが挙げられます。チタン酸バリウムは、高誘電率、優れた温度特性などの特徴があり、誘電体として広く実装されています。
今後、積層セラミックコンデンサは、更なる細密化や積層数の増加の要求が増えると予測されます。現在のセラミック層で使用されているチタン酸バリウムの粒子径は約500nm程度とされていますが、今後の細密化を図るためには、より微粒子化され、均一化されたチタン酸バリウムが性能向上に寄与すると考えられます。また、各層の表面の凹凸やピンホールなどの欠陥を解消することで、性能の向上が期待されます。
トクシキの「MLCC向け微粒化チタン酸バリウム分散液」の特徴は、水熱法で製造されたチタン酸バリウムを使用しているため、均一でより小さな粒子径を実現しています。この分散液を適量使用したセラミックスラリーにより焼成されたセラミック層は、従来の技術では達成されなかった性能を発揮することが期待されます。
MLCCの高性能化は、現代の電子機器の性能向上に不可欠な要素であり、今後もその重要性は増していくと考えられます。
MLCC向け微粒化チタン酸バリウム分散液(開発品)の活用用途と種類
想定用途
高誘電材料(積層セラミックコンデンサなど)
ラインナップ
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶媒種 | 粘度(mPa・s/25℃) | 平均粒径(nm) |
---|---|---|---|---|---|
A211BT-W | チタン酸バリウム | 40.0 | 純水/グリセリン | 10~30 | 40~60 |

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まとめ
トクシキでは「MLCC向け微粒化チタン酸バリウム分散液」を開発いたしました。その特徴は- チタン酸バリウムは強誘電体のため、高い誘電率が期待できます。
- 水熱法で製造されたチタン酸バリウムを使用しているため、均一でより小さな粒子径となっています。