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未来技術への可能性!UVカット透明酸化鉄分散液(開発品)とは?特徴や種類、活用用途をご紹介!

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 透明酸化鉄は、古来より利用されてきた酸化鉄の優れた耐候性および耐熱性を保持しながら、可視光透過性に優れた特性を有する材料です。この材料は過酷な環境での使用が可能であり、資源的にも豊富で低毒性であるため、多くの産業分野において注目されています。本稿では、UVカット透明酸化鉄分散液(開発品)の特性とその多岐にわたる応用例について詳しく紹介します。

 

UVカット透明酸化鉄分散液(開発品)とは?

 汎用の酸化鉄は本来隠蔽性を出すためにある程度大きな粒子形状になっている場合が多く見受けられます。それにに対して透明酸化鉄の結晶は特殊な製造過程によりナノ粒子(ナノメートルは1ミリメートルの1/1000,000)構造となっており、その非常に細かい結晶構造によって光の透過性が発現しております。微細な粒子となっても本来の優れた特徴である耐候性および耐熱性は変わっておりません。特にUV-A(波長315400nm)に分類される紫外線をカットするのが得意であり、黄色の酸化鉄であれば~500nmまでのブルーライトまで、赤色の酸化鉄であればさらに長い可視光領域の波長までカットすることが可能です。
 耐候性・耐熱性・透明性に優れた透明酸化鉄は、多くの分野で社会実装されています。 
 そのひとつに建築材料としての利用が進んでいます。例えば、木工用の塗料として使用されることで、透明な意匠性と耐候性を同時に実現します。また、ガラスに塗布することで、紫外線をカットしつつ光の透過性を保持することができます。これにより、建物のデザインや機能性を向上させることが可能です。
 化粧品の製造にも透明酸化鉄が利用されています。ファンデーションや日焼け止めクリームに配合されることで、肌に透明感を与えながら紫外線から保護する効果があります。しかもアレルギーを非常に起こしにくい素材のため、消費者は美しさと健康を両立させることができます。
 その他プラスチック製品の着色にも適しています。透明なプラスチックに対して、色を付けながらも透明性を維持することができるため、例えば木目模様等を生かした高級感のある製品や金属面上への塗布によるメタリック塗装などへの意匠性を付与しつつ、紫外線による基材の劣化を防ぐ効果も期待されています。
 最近注目されているのが、エネルギー分野での利用です。従来のソーラーパネルの劣化は紫外線による樹脂等の経時劣化が原因と言われています。最近特に話題になっているペロブスカイト型太陽電池においては、窓に貼って発電をするタイプがあり、透明性を確保しつつ発電できるスマートウインドウとして脚光を浴びています。
 しかし、紫外線等による樹脂劣化・発電効率ダウンが大きな問題となっています。そこで透明黄色酸化鉄を使って表面保護をすれば、窓としての透明性を確保しつつ紫外線をカットできるので透明ソーラーパネルの持ち味を殺さずに樹脂の劣化を抑制できます。
<参考:ペロブスカイト太陽電池の波長毎の変換効率>
 今回トクシキが開発した分散液はVOC使用量を大幅に低減するため水系で分散したUVカット透明酸化鉄(黄色・赤色)です。この分散液は、原料の酸化鉄に含まれる不純物が少なく可溶性イオンが発生しにくいため貯蔵安定性に優れ、環境にも配慮した製品となっています。これにより、持続可能な社会の実現に向けた一歩をを踏み出すとともに、ソーラーパネルの劣化抑制による普及促進の一助となることでしょう。

UVカット透明酸化鉄分散液(開発品)の活用用途と種類

想定用途

家具、樹脂基材、建材等の耐候性up、
下地素材(シルバー缶など)への加飾塗料、太陽光パネルの保護 など

ラインナップ

製品名 顔料種 顔料分(%) 溶媒種 粘度(mPa・s/25℃) 平均粒径(μm)
A232FOY 黄色透明酸化鉄 40.0 水/グリセリン 10~40 60~80
A234FOR 赤色透明酸化鉄 40.0 水/グリセリン 20~50 80~100

高濃度酸化鉄スペクトル

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まとめ

トクシキでは「UVカット透明酸化鉄分散液」を開発いたしました。その特徴は
  • ディープ紫外線を含むUV-A全域(315400nm)をカットします。
  • 酸化鉄であるため耐候性が非常に優れています。
  • 塗料化後の貯蔵安定性に悪影響のある不純物が非常に少ない顔料を使用しています。
  • 微粒子化技術により透明性を高め、素材の風合いを生かした加飾用途にも使用できます。
  • 水系のため、VOC対策にもなります。
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