
トクシキで事業企画室が発足して1年半以上経ちました。その間にたくさんのお客様とやり取りをさせていただきながら4つのコンセプトを生み出しました。この記事では過去にご紹介した事業企画室の製品を改めてご紹介させていただきながら新たに事業企画室の特設ページが出来ましたので、そのご紹介をさせていただきます。
これまでご紹介した事業企画室のコンセプトとは?
事業企画室がこれまでにご紹介した4つのコンセプトを改めてご紹介いたします。事業企画室製品のご紹介ページ
①低誘電率ブラック(黒色)分散液
次世代通信システムの「低遅延」を実現するファクターとして「低誘電率化」が有効であると考えられます。 トクシキでは低誘電率を実現するためのアイテムとして低誘電率ブラック(黒色)分散液をご提供しております。一般的な黒色ナノ粒子(カーボンブラック)よりも低誘電率化の観点で大きな優位性があります(誘電率を低く維持することができます)。 ポリイミド(PI)/液晶ポリマー(LCP)/エポキシ/ビスマレイミド/シクロオレフィンポリマー(COP)/ポリフェニレンエーテル(PPE)等の低誘電率材料(ワニス等)向けへの充填を想定し、PGMEAの他NMP/DMAc/シクロヘキサノン(アノン)/MEKなどの溶剤種を主溶剤としたグレードをラインナップしております。 さらに溶媒可溶性(変性)PPE(ポリフェニレンエーテル)へより対応しやすくするため、低誘電率ブラック(黒色)分散液と高濃度低誘電率フィラー分散液(球状シリカ/窒化ホウ素)すべてのグレード向けにトルエンを溶媒とした分散液もご提供しております。 ご要望に応じて各種(ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等)カスタマイズ可能です。製品名 | 顔料・フィラー | 顔料分(%) | 平均粒径(nm) | 媒体 |
---|---|---|---|---|
LDBC-0001/0002 | 炭素(特殊処理)系 | 20 | 90-130/100-140 | NMP(DMAc:〇)(アノン:〇)(MEK:〇)(トルエン:〇) |
LDBO-0001 | 有機(顔料)系 | 20 | 250-290 | アノン(NMP:×)(DMAc:×)(MEK:〇)(トルエン:〇) |
LDBM-0001 | 金属(化合物)系 | 20 | 100-130 | NMP(DMAc:〇)(アノン:〇)(MEK:〇)(トルエン:〇) |

②高濃度低誘電率フィラー分散液
①低誘電ブラック(黒色)分散液に加え球状シリカや球状ナノ窒化ホウ素を高濃度分散した「高濃度低誘電率フィラー分散液」をご提供しております。 球状シリカは電子材料、特に半導体などを保護するフィラーとしてよく用いられておりますが、特殊な球状シリカを用いることで「低誘電率化」を実装させております。 また窒化ホウ素は熱伝導性に優れた物質として有名ですが、同時に優れた絶縁性、低誘電率を持っております。(六方晶)窒化ホウ素は鱗片状ではなく球状ナノ粒子である為、低誘電率の他に異方性の制御を必要としない放熱が期待できます。 ご要望に応じて各種(ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等)カスタマイズ可能です。製品名 | 顔料・フィラー | 顔料分(%) | 平均粒径(nm) | 媒体 |
---|---|---|---|---|
LDSS-0001 | 球状シリカ1) | 75 | 700-850 | PGMEA(NMP:△70%)(DMAc:〇)(アノン:〇)(MEK:〇)(トルエン:〇) |
LDBN-0001 | 球状ナノ窒化ホウ素 | 40 | 270-330 | PGMEA(NMP:開発検討中)(DMAc:△30%)(アノン:〇)(MEK:〇)(トルエン:〇) |
1) 他に小粒(平均粒径:350nm、200nm、100nm)/大粒(平均粒径:1150nm)タイプもあります
③UVカチオン/アニオン/フロンタル重合向けエポキシ/オキセタン/ビニルエーテル媒体各種機能性フィラー分散液
電気・電子用途の接着剤や封止剤などにはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂がよく使用されておりますが、その大分部が熱による硬化であり、そのことが用途の幅が広がりにくい要因にもなっています。 エポキシ樹脂は熱硬化反応以外にカチオンUV硬化による重合が古くから行われています。昨今ではアニオンUV硬化やフロンタルUV硬化による重合も優秀な光塩基発生剤が開発されたことなどにより実用化されてきております。また、オキセタンはカチオンUV硬化により生成する酸による開環重合により合成できます。 カチオン/アニオン/フロンタル重合は熱硬化と比べて硬化が早くかつ同等の物性を得ることができます。また、ラジカル重合のように酸素阻害を受けない・収縮率が小さいなどのメリットがあります。また、厚膜の深部まで硬化させることが可能です。 トクシキではお客様のご要望に応じてラジカル重合だけではなく、カチオン/アニオン/フロンタル重合などから硬化システム選択、さらにエポキシ/オキセタン/ビニルエーテルから媒体を選択をいただき、そこへ各種機能性フィラーを均一に分散させる製品サービスをご提供しております。<事例1>
製品名 | 顔料・フィラー | 顔料分(%) | 固形分(%) | 媒体 |
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ACBC-0001 | カーボンブラック | 20 | 100 | エポキシ(液状・脂環式) |
OXBC-0001 | カーボンブラック | 20 | 100 | オキセタン |
VEBC-0001 | カーボンブラック | 20 | 100 | ビニルエーテル |
<事例2>
製品名 | 顔料・フィラー | 顔料分(%) | 固形分(%) | 媒体 |
---|---|---|---|---|
OXSS-0001 | 球状シリカ | 40 | 100 | オキセタン |
VESS-0001 | 球状シリカ | 40 | 100 | ビニルエーテル |

左:混合のみ→沈降・堆積(底部の厚み) 右:分散あり→沈降無し・堆積無し
④液状ジオール/ポリオール媒体各種機能性フィラー分散液
ジオール、ポリオールは水酸基を複数持つアルコールの一種で、工業的にはイソシアネートとのウレタン反応(硬化)に良く用いられていることで知られています。生成した硬化物は一般的にジオールやポリオール、イソシアネートとの組み合わせによって様々な特徴を持ちます。 トクシキでは、モノマーを媒体として液状ジオール/ポリオールに各種機能性フィラーを均一に分散した製品をご提供しております。それを用いてウレタン硬化を行うことにより、硬化物が持つ特徴に加えて安定的に機能性が付与できると考えられます。また、分散液は経時安定性も良好なので、取り扱いやすくなっています。 ジオールやポリオール、フィラー種を特定せず、お客様のご用途・ご要望に応じたカスタマイズが可能です。製品名 | 顔料・フィラー | 顔料・フィラー分(%) | 粘度(mPa・s/25℃) | 平均粒形(nm) | 媒体組成 |
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DOBC-0001 | カーボンブラック | 20 | 350~410 | 160~200 | 液状ジオール1) |
DOBC-0002/DOBC-0003 | カーボンブラック | 10 | 170~230/200~260 | 240~280/200~240 | 液状ジオール2,3) |
DOBC-0004/DOBC-0005 | カーボンブラック | 5 | 2100~2500/1900~2300 | 160~200/160~200 | 液状ジオール4,5) |
1) 3-メチル-1,5-ペンタンジオール
2) ポリブチレングリコール(Mw:700・・・他に500 もあります)
3) ポリエーテルジオール(Mw:700・・・他に400、1000、2000、3000 もあります)
4) ポリカーボネートジオール①(Mn:500) 5) ポリカーボネートジオール②(Mw:500)