トクシキではこれまでお客様のご使用になる用途や環境に応じた様々な種類の導電性分散液をご紹介してまいりました。今回は導電性分散液の特集記事としてその種類や特徴をまとめてご紹介いたします。
これまでご紹介した導電性分散液について
一般的に100~1010範囲付近の抵抗値を示す機能性を持つ物質は導電性○○または帯電防止性○○と呼ばれます。また一般的にプラスティック(高分子材料)は絶縁体です。これにこれからご紹介する導電性分散液などの導電性材料を添加または表面に塗布することなどにより、抵抗値を変化させ導電性・帯電防止性を発現させることができます。帯電防止フィルム、導電性塗料やプライマーなど様々な分野での活用が考えられます。
導電性というと真っ先に思い浮かぶのは銀や銅など金属です。例えばプラスティックに金属粉を混練し導電性を発現させることが可能です。この方法は有効ですが、加工性の問題や環境や用途を選びます。金属以外にも代表的なものとして導電性カーボンやカーボンナノチューブ、透明導電性電フィラーなどがあります。トクシキではそれらを均一に分散し安定した状態で、お客様の様々な用途に合わせた分散液をご提供しております。
導電性分散液のラインナップ
導電性カーボン分散液
- 導電性カーボン分散液はそれらを使用した成型体または塗工対象物に導電性を付与させることができます。
- 各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持ちます。
- 微粒子分散されているため、粒子が均一であり、保存安定性にも優れています。粘度が低いため作業性にも優れます。また、塗工した際の表面の平滑性に優れます。
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導電性酸化チタン分散液
- 導電性酸化チタン分散液は少量添加でも良好な導電性を発現します。
- 添加量を調整することで、任意の導電性を付与することが可能です。
- 粘度が低いため、作業性に優れています。
- ポリエステル、ウレタン、アクリル等、各種樹脂に広く相溶します。
製品名 |
フィラー種; |
表面抵抗値 |
特長 |
9339TO |
酸化チタン |
6.3×103Ω/□ |
非水系の白色導電性分散液 |
9340TO |
酸化チタン |
4.2×103Ω/□ |
水系の白色導電性分散液 |
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透明導電性分散液
- 透明導電性(ATO)分散液(開発品)、透明導電性(PTO)分散液(開発品)と透明導電材(酸化亜鉛)分散液(開発品)があります。
- ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各種塗料に添加して塗工することで、帯電防止性能を付与させることができます。
製品名 |
顔料種 |
顔料分(%) |
溶剤組成 |
表面抵抗値(Ω/□) |
9406ZO |
酸化亜鉛 |
30 |
水 |
4.0×108 |
9407ZO |
酸化亜鉛 |
30 |
PGMEA |
7.0×108 |
9387SN |
酸化錫(ATO) |
30 |
水 |
1.4×106 |
9751SN |
酸化錫(ATO) |
20 |
PGMEA |
1.0×107 |
9747SN |
酸化錫(PTO) |
20 |
水 |
6.8×107 |
9748SN |
酸化錫(PTO) |
20 |
PGMEA |
5.5×108 |
透明導電性分散液(開発品)のご紹介ページ
CNT(カーボンナノチューブ)分散液
- CNT(カーボンナノチューブ)は単層CNT、多層CNTに大別されます。強度や熱伝導特性、導電性が優れている物質です。
- CNTは一般的に分散しにくい物質ですが、トクシキでは導電性などを保持した分散液をご提供いたします。
- CNT分散液は相溶性に優れ、ウレタン、アクリル、フッ素、ポリエステルなどの各種樹脂に幅広く相溶します。
- CNT分散液は低粘度なので加工性が良好です。
- 単層、多層の分散液において中国化審法への対応が可能になりました。
製品名 |
フィラー種 |
フィラー分(%) |
溶媒 |
粘度(mPa・s/25℃) |
中国化審法対応 |
9487SW |
単層CNT |
0.2 |
酢酸ブチル |
40~200 |
〇 |
9509MW |
多層CNT |
3 |
酢酸ブチル |
50~300 |
〇 |
9510MW |
多層CNT |
3 |
水 |
50~300 |
〇 |
9326MWL |
多層CNT(長尺) |
1 |
酢酸ブチル |
100~500 |
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