ここではUVカット分散液の特徴や種類、活用用途についてご紹介いたします。
UVカット分散液とは?
UV は波長が10~400nmの可視光線よりも短波長の電磁波で、その中でも比較的長波長の315~400nmの波長域のものをUVA、280~315nmの波長域のものをUVB、10~280nmの波長域のものをUVCと呼びます。一般的に太陽光から地上に到達するUVのほとんどはUVAであり、一部UVBも含まれています。光は波長が短ければ短いほどそのエネルギーは高く、 UVの照射により人間の皮膚のたんぱく質を変性しダメージを与えたり、メラニンの生成を促し日焼けの原因になると言われています。また、合成樹脂などに長期間照射した場合、光のエネルギーによる反応や分子間の切断により劣化を加速させます。特に屋外で使用する製品の寿命とその製品がUVをカットする度合いには密接な関係があると言えます。
UVをカットするための方法は大きく2つあります。一つは紫外線吸収剤などを用いる化学的方法であり、UVBを吸収する特徴を持つものが多く存在します。もう一つは酸化チタンや酸化亜鉛などの無機フィラーを微粒子化したものを加えることにより光を散乱・屈折させ物理的にカットする方法で、近年その影響がクローズアップされているUVAの遮蔽性能が比較的高い特長があります。
トクシキでは後者の物理的にUVを遮蔽する酸化チタンや酸化亜鉛を微粒子化したUVカット分散液を開発しております。
UVカット分散液の活用用途とラインナップ(開発品)
<特長>
- 分散剤と溶媒のみでUV吸収材を分散した分散液ですので、多くの樹脂系との相溶性が良好です。
- 添加することで樹脂の屈折率の調節が可能です。
- 微粒子化されているため、高透明度です。
- 高屈材分散液は水系タイプもありますので、水系塗料にもご使用いただけます。
<用途>
UVカットコーティング剤など<ラインナップ>
製品名 | フィラー種 | 溶媒 |
---|---|---|
9058 ZO | 酸化亜鉛 | 非水系 |
9059 ZO | 酸化亜鉛 | 水系 |
9060 TO | 酸化チタン | 非水系 |
9061 TO | 酸化チタン | 水系 |
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まとめ
- UV(紫外線)に長期間暴露される製品は変色、脆化などの劣化を引き起こします。
- トクシキのUVカット分散液は無機フィラー(酸化チタン、酸化亜鉛)を微粒子化し、透明性とUVカットを両立しています。
- トクシキのUVカット分散液は水系と非水系がラインナップされており、多くの樹脂系との相溶性があります。