
近年、サステナビリティへの関心が高まる中で、「環境配慮型製品」の重要性がますます増しています。製品の原料や製造プロセスにおいて環境負荷を減らすだけでなく、安全性や耐久性、リサイクル性に優れた素材が求められる時代になりました。企業の環境対応がブランド価値や取引先からの評価に直結するケースも珍しくありません。
こうした動きの中で、「色」に関する課題も注目されています。特に「グリーン」は“自然”や“持続可能性”を象徴する色として、環境配慮型製品のイメージカラーとして広く使われています。しかし、見た目だけで「環境配慮」とするのではなく、その素材自体が本当にサステナブルであるかどうかが、今まさに問われています。
グリーン塗料の課題と透明性のジレンマ
実際の製品開発において、透明性が求められる用途—たとえば屋外向けのペンキや機能性塗料など—では、従来、透明なグリーンを出すために高度にハロゲン化された有機顔料が用いられることが一般的ですが、ハロゲン化有機顔料には環境や安全性に対する懸念が付きまといます。 その対策として透明なグリーンを表現する際には、有機系のブルー・イエロー顔料の顔料を組み合わせる手法が一般的でした。しかし、クリア系グリーンに使用される有機イエロー顔料は、耐候性や環境的に課題を抱えているものが多いのが現状です。特に屋外用途では、紫外線や風雨の影響により、時間の経過とともに色が退色してしまうことが避けられませんでした。
トクシキが開発した新素材──「環境配慮型クリアグリーン分散液」
こうした課題を解決するべく、トクシキでは独自の技術を活かし、「環境配慮型クリアグリーン分散液」を開発しました。この分散液は、高い透明性と優れた耐候性を両立した無機イエロー顔料を使用しており、退色の心配がないのが大きな特長です。
また、材料にハロゲンやクロム・ニッケル等を含まず、高い安全性と環境負荷の低減を実現しています。屋外用途やリサイクルを前提とした設計にも適しており、持続可能な製品開発を目指すお客様にとって理想的なソリューションとなるでしょう。
安全性・機能性・美しさを、すべての製品に
今回ご紹介する製品は、A331FOGは高発色タイプ、A333FOGは高採光タイプの2グレードになりますが、いずれも高い紫外線カット性能を持ち合わせております。
マテリアルに、光と技術を。限りある世界に、緑ある循環を。──
トクシキの環境配慮型グリーン分散液は、その活用次第で、無限の可能性を拓きます。
環境配慮型クリアグリーン分散液の活用用途と種類
想定用途
景観配慮型デザイン塗装、建材向け意匠性付与、パークベンチ など
ラインナップ
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶媒種 | 粘度(mPa・s/25℃) | 平均粒径(nm) | 色相 |
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A331FOG | 無機顔料/有機顔料 | 20.0 | PGM | 5~30 | 160~200 | 青味緑 |
A333FOG | 無機顔料/有機顔料 | 20.0 | PGM | 1~20 | 100~130 | 黄味緑 |
まとめ
トクシキでは「環境配慮型クリアグリーン分散液」を開発いたしました。その特徴は
- ディープ紫外線を含むUV-A全域(315~400nm)をカットするため、耐候性に優れます。
- 透明性の高い無機顔料を使用しています。
- 塗料化後の貯蔵安定性に悪影響のある不純物が非常に少ない顔料を使用しています。
- ハロゲンフリーです。