この記事では、UV(紫外線)透過ブラック分散液の特徴や種類、今後期待される活用用途について紹介します。
UV(紫外線)透過ブラック分散液とは?
工業的にUV(紫外線)はUV硬化型の樹脂やフォトリソなどに活用され、化学工業では欠かすことのできない要素になっています。一般的にUV(紫外線)を照射してUV(紫外線)硬化を行う際、濃い色相、特に黒色に着色されたものはUV(紫外線)が透過しないことから硬化が難しいと考えられます。今回ご紹介するUV(紫外線)透過ブラック分散液は、黒色である特長とUV(紫外線)を透過する特長の2つを持つ顔料を微粒子化した分散液です。したがって、下地の隠蔽や遮光性の機能を持ちながらUV(紫外線)をセンシングすることやUV(紫外線)硬化させることが可能です。
またUV(紫外線)透過ブラック分散液はウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂などの樹脂や各種溶剤と相溶します。
UV(紫外線)透過ブラック分散液の特徴
UV 35%: UV(紫外線)透過ブラック分散液 顔料濃度35%(塗膜中)
IR 35%:近赤外透過ブラック分散液 顔料濃度35%(塗膜中)
CB 35%: 一般的なカーボンブラック分散液 顔料濃度35%(塗膜中)
このグラフでは3種類の膜を比較しています。一つは一般的なカーボンブラック(CB)分散液を塗布した膜で、360nm以下の短波長領域の光(電磁波)をほとんど透過していないことが分かります。もう一つのトクシキの近赤外透過ブラック分散液は元々長波長側(近赤外線)を透過させるものですが、300nm付近の光(電磁波)も透過します。但し、専門の(UV)紫外線透過用ではないので、 透過するバンドも狭く、レベルも高くはありません。最後の一つがこの記事で紹介しているUV(紫外線)透過ブラック分散液です。透過率は350nm付近をピークに幅広いバンドで透過いたします。
黒色の分散液でありながら、UV(紫外線)を透過する特徴から、今までUV(紫外線)硬化が難しかった黒色の塗膜に対するUV(紫外線)硬化が可能になるなど、様々な用途への応用が期待されます。
UV(紫外線)透過ブラック分散液の活用用途とラインナップ
UV(紫外線)透過ブラック分散液の活用用途は、電子材料向け黒色塗料またはインク、黒色レジスト、UV(紫外線)硬化型インク、UV(紫外線)センサーなどに最適です。ラインナップ | 特徴 |
---|---|
UVBK-0001 | 有機溶剤系(非水系)UV(紫外線)透過ブラック分散液 |
<よく読まれてます>
微粒子分散液[製品紹介ページ]
機能性分散液[製品紹介ページ]
分散加工サービス[実験受託ページ]
高濃度カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
近赤外透過ブラック分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
導電性カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
まとめ
- トクシキのUV(紫外線)透過ブラック分散液は、黒色である特長とUV(紫外線)を透過する特徴を持ちます。
- トクシキのUV(紫外線)透過ブラック分散液は、今までUV(紫外線)硬化が難しかった黒色の塗膜に対するUV(紫外線)硬化が可能になるなど、様々な用途への応用が期待されています。
- トクシキのUV(紫外線)透過ブラック分散液は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂などの樹脂や各種溶剤と相溶します。