
今回は特にトクシキの製品にもラインナップされているUV(紫外線)硬化樹脂について、まとめてみます。
UV(紫外線)硬化樹脂とは
UV(紫外線)硬化樹脂とはそもそも何か?
UV(紫外線)硬化樹脂とは、光によってモノマーやオリゴマー(液体の状態)など樹脂の部品になる物質が連鎖的に重合反応などで固化し樹脂化するものをいいます。
UV(紫外線)硬化型樹脂の硬化は以下のようになります。
紫外線が照射されると、光重合開始剤が分解しラジカルが発生します。このラジカルがオリゴマー、モノマーに作用し重合することにより硬化します。この重合工程は数秒で進行するため硬化は早く済みます。
UV(紫外線)硬化樹脂は、多種多様なモノマーやオリゴマーを組み合わせることで特徴ある合成樹脂を作ることができます。
この特徴を生かして、
①(重合性多官能)モノマー・オリゴマー
②光重合開始剤
③添加剤(フィラー、顔料、紫外線吸収剤など)
これらの材料の組み合わせや光の照射強度や照射時間によって、特徴ある塗料などになります。
UV(紫外線)硬化樹脂の特徴
特徴1. 低公害性・省エネルギー性に優れている
有機溶剤を多少使用する場合もありますが、一般的には希釈剤は重合性モノマーを用いているので、溶剤を大気中に拡散させる心配がありません。その様な意味で低公害性に優れています。また、UV(紫外線)を照射することにより硬化するので、重合時の加熱や乾燥工程が最小限で済むため、省エネルギー性にも優れています。
特徴2. 熱硬化型と比較して効率が良い
熱硬化型や常温硬化型に比べて、圧倒的に硬化時間が短いという特徴があります。また、低温加工が可能なので、熱に弱い基材をコーティングするなどの用途に適しています。
さらに、一般に熱硬化型・常温硬化型に比べて架橋密度が高くなることから、耐溶剤性などに優れるという特徴も兼ねています。
ただし、複雑な形のものには向きません。光がすべての面に照射しにくいためです。
UV(紫外線)硬化樹脂の種類
一般的な種類
UV(紫外線)硬化型樹脂を大きく二つに分けると、アクリルなどのような不飽和二重結合のラジカル重合を用いるタイプと、エポキシなどのカチオン重合を用いるタイプに分けられます。
トクシキの製品
トクシキではウレタンアクリレートを軸とした自己修復塗料用の樹脂やハイコープAUシリーズをご用意しております。
AU-3110などは非常に伸び性のある樹脂です。トクシキ内では通称「のびるやつ」として言い習わされていいます。
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UV(紫外線)硬化樹脂の活用用途
一般的な利用用途
〇プラスティック製品の表面コート用途
化粧品容器
飲料缶
ヘッドライト
PC、スマートフォン、電気製品等の筐体
車輛用の部品
〇UV(紫外線)接着剤
〇UV(紫外線)硬化型インクジェット用途
〇フォトレジスト
パターンシャドウマスク、プリント基板ソルダーレジストなどの用途
トクシキの製品例
〇スマートフォン、タブレット等のカバー表面(自己修復塗料)
〇インモールド成型型フィルム用トップコート剤(伸びるウレタンアクリレート)
まとめ
〇UV(紫外線)硬化樹脂は低公害性、省エネルギー性、短時間での加工性に優れています。
〇UV(紫外線)硬化樹脂は低温加工ができるため、熱に弱い基材のコーティングなどに向きます。
トクシキでは自己修復塗料や伸びるウレタンアクリレートなど多様な製品をご用意しています。
樹脂合成実験受託サービスをご利用いただけますと、オリジナル樹脂の合成も可能です。詳細をぜひご覧ください。