また、この紫外線をカットするのにUV硬化ができるコート剤のキーアイテムとして使用している低照度硬化高屈折率アクリル樹脂をあわせてご紹介いたします。
紫外線吸収(ZnO)UVコート剤と低照度硬化高屈折率アクリル樹脂とは?
従来、酸化亜鉛(ZnO)は日焼け止めの用途によく使用されてきました。紫外線を吸収してしまうためUV硬化型のコート剤には不向きであり主に熱硬化や粉体として使用されてきました。しかし、酸化亜鉛の粒子が大きいと十分な透明性が得られなかったり、直接ガラスに配合したりすると黄色く着色してしまい、透明な紫外線吸収膜を作るのは非常に困難でした。また、紫外線が当たることによって活性化された酸化亜鉛がコーティング樹脂を分解してしまい、塗膜がすぐに劣化してしまうということもよくありました。今回トクシキでは、硬化感度の高い樹脂(HR-UV Ctype)を用いることによって、UV硬化コート剤なのに紫外線がカットできるという、相反する機能を持った紫外線吸収(ZnO)UVコート剤(AUP-4044)を開発いたしました。
さらに高濃度でZnOフィラーが配合されているため、薄膜で透明性が高く屈折率も高い特性があります。樹脂だけの塗膜では、紫外線によって劣化してしまい黄色く変色してしまうのですが、今回開発したAUP-4044は下図に示すように初期塗膜からの色変化が非常に少なく透明性が維持されていることが下のグラフよりわかります。
(透明性は下図のHAZEが小さいほど良好。色の変化は下図の⊿E00が少ないほど良好。)
このたくさんの特性を盛り込むキー物質がトクシキが独自に開発した低照度硬化高屈折率アクリル樹脂(HR-UV Ctype)です。
以前HPで紹介させていただいたHR-UVは高い屈折率を持ちながら、シリコン骨格を持ち塗膜の透明性が高い特性がありました。そのため従来では難しい高屈折・高透明でありながら硬化塗膜表面に種々のシリコン特性(撥水・防汚・表面滑性)を持たすことが可能となっておりました。
しかし使用しているモノマーの特性上、紫外線硬化時の照射量が低いと固まりにくい・未硬化という弱点があるため、高屈フィラーを希望の屈折率に配合した場合にコート剤が未硬化となってしまう場合が多く見受けられました。
HR-UV Ctypeは、HR-UVのモノマー組成を見直しと硬化密度を高めることにより、通常硬化もさることながら低照度での硬化を可能にしました。モノマー組成については高Tg飽和炭素モノマーの一部置き換えで、硬化密度アップについては反応点の官能基数アップによって硬化速度と樹脂物性のバランスを調整いたしました。結果的に屈折率は下がっておりますが、硬化阻害要因である高屈フィラーをHR-UVよりも多く配合できるため、トータル的な塗膜屈折率には影響が少ないのも特長です。
紫外線吸収(ZnO)UVコート剤と低照度UV硬化高屈折率アクリル樹脂の活用用途とラインナップ
想定用途:紫外線吸収(ZnO)UVコート剤
光学レンズ・光学材料系コート剤・紫外線カット用品向けコート剤・フェイスシールド等の紫外線カット機能付与活用用途:低照度UV硬化高屈折率アクリル樹脂
光学材料や各種機能性フィラーのUV硬化用樹脂としてラインナップ:
紫外線吸収(ZnO)UVコート剤製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶剤組成 | 平均粒径(nm) | 塗料屈折率 |
---|---|---|---|---|---|
AUP-4044 | ZnO/ZrO2 | 30.0 | 酢酸ブチル/MEK | 50~100 | 1.68 |
低照度UV硬化高屈折率アクリル樹脂
製品名 | 樹脂種 | 溶剤種 | 理論固形分 | 粘度(mPa・s/25℃) | 樹脂屈折率 |
---|---|---|---|---|---|
Ref.(HR-UV) | シリコン変性アクリル系 | 酢酸ブチル/MEK | 45~60 | 20~100 | 1.55 |
HR-UV Ctype | シリコン変性アクリル系 | 酢酸ブチル/MEK | 65~75 | 100~400 | 1.51 |
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