
今回は「UVカットシリコン変性アクリル樹脂」の特徴や種類、活用用途をご紹介いたします。
UVカットシリコン変性アクリル樹脂(開発品)とは?
紫外線は、太陽から放射される電磁波の一種で、高いエネルギーを持っています。そのためプラスチックが紫外線にさらされると、色褪せ、割れや劣化、表面の変質、物性の変化(柔軟な物性が固く脆くなるなど)様々な影響を受けます。プラスティックを紫外線から保護するため、紫外線吸収剤や紫外線遮蔽剤を添加したり、表面に酸化チタンなどが含まれる塗料をコーティングしたり様々な方法を用います。

トクシキでも過去様々な紫外線対策製品をご紹介してまいりましたが、今回は透明性の高く、汚染防止特性を持った紫外線カット効果のある樹脂、「UVカットシリコン変性アクリル樹脂(開発品)」をご紹介いたします。
「UVカットシリコン変性アクリル樹脂」の特長は、紫外線をカットする無色透明な塗膜の生成が可能で、この樹脂を用いたコーティング剤を基材に塗布することで、基材の紫外線による劣化を防ぐことが期待できます。
またシリコーン変性アクリル樹脂をベースとしていることから耐汚染性に優れます。
これらの特性を生かし、例えば絵画などの芸術作品を保護する額縁やフロントパネルをコーティングすることで、絵画を紫外線から守ることが出来ます。また、屋外で使用するスポーツ用品(例えばテニスラケットや野球やアメリカンフットボールなどで使用するプロテクタ等)に塗布することにより、強い紫外線から用具を守ることが出来ます。スポーツ用品は高価であることが多いので、できるだけ長持ちさせたいと考える消費者の心理と合致するものと考えられます。

UVカットシリコン変性アクリル樹脂の活用用途とラインナップ
活用用途:
基材の劣化防止、芸術作品などの保護具や屋外用スポーツ用品への塗布などラインナップ:
UVカットシリコン変性アクリル樹脂(開発品)製品名 | 顔料種 | 樹脂種類 | 顔料分(樹脂比)(%) | 溶剤組成 | 粘度(mPa・s/25℃) |
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SQ-150-Z01~Z10 | 微粒化ZnO | ラダーシリコン変性アクリル樹脂 | 1.0~10.0 | 酢酸エチル/酢酸ブチル/PGME | 1~40 |
まとめ
トクシキは紫外線カットと汚染防止機能を兼ね備えた「UVカットシリコン変性アクリル樹脂(開発品)」を開発いたしました。- シリコーン変性アクリル樹脂(SQ150)に微粒子ZnOフィラーを添加することで、防汚特性(撥水)はそのままに紫外線カット効果を付与しました。
- 無色透明な塗膜の作成が可能で、クリアかつ基材の紫外線劣化を防ぎます。