
ここでは、顔料分散の基礎知識の解説や活用用途などを簡単にご紹介いたします。
顔料分散とは
顔料分散とはどのような技術か?
一般的な湿式の顔料分散とは顔料やフィラーを微粒子化し溶媒や樹脂溶液に懸濁させ、その状態を安定化させる技術です。結晶体(Crystal)、複数の結晶体が強く結合したアグリゲート(Aggregate)、結晶体やアグリゲートが比較的緩やかに結合したアグロメレート(Agglomerate)の状態があります。結晶体とアグリゲートは化学的・機械的な方法でこれ以上小さくならない状態で1次粒子(1次凝集体)と呼び、この1次粒子が凝集している粒子を2次粒子(2次凝集体)と呼ばれています。顔料分散は2次粒子から1次粒子に近づける操作であり、粒子表面と媒体のぬれ(湿潤)により凝集力が低下し、機械的解砕によりより小さな粒子に解離します。さらに分散剤などを適切に選択し少量添加することにより、電気的反発、立体障害の効果などにより分散液が長期間安定化します。

顔料分散のメリット
顔料分散の分散度(微粒子の粒度や分散の方法)を変化させることにより、様々な用途に対応します。(顔料自体のポテンシャルや配合設計による要件も多々ありますが)顔料分散を行うことにより、
- 隠蔽性、透明性、コントラスト、色相
- インキの粘度調整、インキの長期安定化
- 塗膜の平滑性 など 用途に合わせた機能を決めるファクターになります。
顔料分散技術の活用例
- 再帰性反射シート用透明インキ
- LCDカラーフィルター用顔料分散体
- 導電酸化物の分散体
- AG (アンチグレア、防眩)コート剤
顔料分散技術における製造・作業工程
主な分散機
ビーズミル分散機 | 容量 | ベッセル材質 | 最大タンク容量 |
アニュラー型 | 12 L | SUS | 900 L |
ディスパージョン型 | 24 L | 超硬(接合部:SUS304) | 500 L |
5L | 110L |
メディア径 | φ0.1~1.5mm対応可 |
ロット生産数量 | ~900Lスケール |
メディア種 | ジルコニア・ジルコン・ガラス・スチール |
ミル内部材 | SUS・超硬 |
対応粘度 | ~10,000 mPa・s |
分散方法 | 循環式・バッチ式 |
最適な分散機の設定
目標粒子径、コンタミの影響、適応粘度最適なビーズの設定ビーズ種類、ビーズ径
最適な分散条件の設定
周速、温度など<よく読まれてます>
微粒子分散液[製品紹介ページ]
機能性分散液[製品紹介ページ]
分散加工サービス[実験受託]
高濃度カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
近赤外透過ブラック分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
UV(紫外線)透過ブラック分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
導電性カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
カーボン分散液とは?特徴や種類、活用用途を解説[メディア記事]
まとめ
- トクシキでは様々な用途に対応するよう顔料分散の分散度を調整することができます。
- トクシキでは、ビーズミルを用いて顔料分散液を最適にコントロールします。
- トクシキでは分散液を安定化するため、に分散剤などを適切に選択し少量添加することにより、立体障害の効果などにより分散液が長期間安定化します。
サービス・製品に関するお問い合わせ、サンプル請求はこちらから
製品・技術・サービスや製品開発について お気軽にお問合せください。
トクシキは分散・配合・合成の3つの基盤技術をもとに、長い時間をかけ培ってきた経験をご提供することにより、お客様に選ばれています。