トクシキはチタン酸バリウム分散液の上位バージョンを開発いたしました。
新たに開発したチタン酸バリウム分散液の特徴や種類、活用用途をご紹介いたします。
高濃度!透明!高屈折率!チタン酸バリウム分散液(開発品)とは?
チタン酸バリウム(BaTiO₃)は、誘電材料として広く認知されている無機化合物です。その優れた誘電特性やピエゾ電気特性により、多岐にわたる産業用途で活躍しています。
さらに、チタン酸バリウムは高い屈折率を持っているため、高屈折率光学材料としての特性も持ち合わせています。独自の結晶構造と電子帯域特性により、光が内部を通過する際に光の速度を大幅に低下させることによって、非常に高い屈折率を発現します。
他にも高屈折率のフィラーとして比較的安価に手に入るTiO2(ルチル)やZnOなどもありますが、紫外~可視光線領域における吸収波長の関係でHAZEが出やすく、粒子径をかなり細かくしないと透明性が出にくい欠点があります。ZrO2は、吸収がないため透明になりますが、やや高価であり非常に硬いため、透明性の高い微小粒子の作成に難があります。
高屈折率フィラー物性値比較
物質名 | 屈折率 | 比重 |
---|---|---|
BaTiO3(チタン酸バリウム) | 2.41 | 6.02 |
TiO2(ルチル)(酸化チタン) | 2.71 | 4.2 |
ZrO2(ジルコニア) | 2.05 | 5.89 |
ZnO(酸化亜鉛) | 2.1 | 5.6 |
この特性は反射防止コーティングや高性能レンズの製造において重要な役割を果たしており、光集積回路やレーザー技術にも応用が期待されています。
トクシキは、これまで容易にコーティング剤に添加できるチタン酸バリウム分散液を提供してまいりましたが、このたび、さらなる上位バージョンを開発いたしました。この新しい分散液の最大の特長は、高い屈折率及び透明性を維持したままチタン酸バ リウムの含有率が以前の4倍(フィラー分10%⇒40%)に増加した点です。これにより、少量の添加でも高い効果を発揮し、お客様がコート剤などを設計する際の配合自由度が向上します。
また、分散液の粒度分布も従来品のチタン酸バリウム分散液と比べてシャープかつ粒径が小さくなり、これまで課題とされていた透明性を大幅に改善いたしました。この新しい分散液は、お客様の期待に応えるべく、より高性能かつ多機能な製品づくりをサポートいたします。
チタン酸バリウム分散液の活用用途と種類
想定用途
高屈折率光学材料系コート剤および粘着剤の屈折率調整など
ラインナップ
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶媒組成 | 粘度(mPa・s/25℃) | 屈折率(固形分換算値) |
---|---|---|---|---|---|
A112BT | チタン酸バリウム | 40.0 | PGME(Propylene glycol monomethylether) | 1~20 | 1.783 |
(比較)従来品 | チタン酸バリウム | 10.0 | PGME(Propylene glycol monomethylether) | 1~10 | 1.710 |
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まとめ
トクシキでは「チタン酸バリウム分散液」の上位バージョンを開発いたしました。その特徴は- これまで課題であった透明性を改善しつつ高屈折率フィラー含有率が高い分散液(当社比4倍)を開発しました。
-
少量の添加量でも効果を発現するため、コート剤などの配合自由度が向上します。
-
1次粒子が非常に細かく形状がそろっているため、分散体としての粒度分布も汎用タイプと比較してシャープになっています。