トクシキでは非常に硬度が高いため加工の難しい炭化ケイ素(SiC)を微粒子化、高濃度化した「炭化ケイ素(SiC)分散液」を開発いたしました。
この記事ではその特徴や種類、活用用途をご紹介いたします。
炭化ケイ素(SiC)分散液(開発品)とは?
炭化ケイ素(SiC)は、炭素とケイ素からなる化合物で、高い硬度と耐熱性を特徴としています。その新モース硬度は13で、ダイヤモンドや炭化ホウ素に次いで地球上で3番目に硬い化合物です。SiCはまた、優れた耐熱性、熱伝導性、ならびに酸やアルカリに対する耐薬品性を持ち、幅広い産業分野で応用されています。
例えば、半導体分野では、次世代のパワー半導体材料として注目されています。パワー半導体としては、現在主流のSiからSiCを用いることで高効率の半導体が製造可能となり、エネルギー効率の向上や小型化に寄与します。これらは、電気自動車、産業機器、データセンターなど様々な用途での高性能化、省エネ化に期待がされています。また、エレクトロニクス分野では、SiCの高い熱伝導性と耐熱性が、パワーモジュールやLEDの基板材料として利用されています。
このように次世代の材料として産業界から脚光を浴びている炭化ケイ素ですが、その特徴である高い硬度が加工性においてボトルネックとなります。また、一般的に炭化ケイ素は粒体や粉体で提供されるため、添加する際には工夫が必要です。
トクシキでは、この炭化ケイ素を微粒子分散液にした「炭化ケイ素(SiC)分散液」を開発しました。炭化ケイ素含有率40%という高濃度にもかかわらず、粘度は5.0~10 mPa・s/25℃と非常に取り扱いやすいのが特長です。微細に均一に分散されているため、緻密な構造体への適用が期待されます。また、高濃度であるため設計の自由度が高く、少量でも効果が期待できます。
炭化ケイ素(SiC)分散液の活用用途と種類
想定用途
工業用機械部品のコーティング、建築用外壁塗料、船舶用塗料、耐摩耗性塗料など
ラインナップ
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶媒組成 | 粘度(mPa・s/25℃) | 平均粒径(nm) |
---|---|---|---|---|---|
A174 SC | SiC | 40.0 | PGMEA(Propylene glycol monomethyl ether acetate) | 5.0-10.0 | 250-350 |
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まとめ
トクシキでは「炭化ケイ素(SiC)分散液」を開発いたしました。その特徴は- 粘度が低いため作業性に優れています。
-
分散液であるため、粉体に比べハンドリング性に優れます。
-
炭化ケイ素(SiC)は微粒子化されているため、より緻密な構造体への適用が期待できます。
-
フィラー分が高濃度なため、設計の自由度が高く、少量でも効果が期待できます。