
トクシキでは先月に続きリチウムイオン電池(LIB)向け分散液として、より高性能な単層CNTを高濃度に分散した「LIB向け高濃度SWCNT分散液」を開発しました。
LIB向け高濃度SWCNT分散液とは?
カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子が六角形に配列して円筒形に巻かれた構造を持つナノ材料で、その優れた機械的、電気的、熱的特性から様々な分野で注目されています。CNTを大別するとシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)とマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)の2種類が存在します。
先月のメディア記事では、MWCNTのリチウムイオン電池(LIB)向け分散液について紹介しました。MWCNTは、複数の炭素層が同心円状に巻かれた構造を持ち、耐久性が高く、大量生産が可能であるためコスト面でも優れています。一方、SWCNTはMWCNTよりも電気伝導性、機械的強度、柔軟性、熱伝導性に優れており高性能用途に適しています。
今回、トクシキはSWCNTを用いた「LIB向け高濃度SWCNT分散液」を開発しました。この分散液は溶媒にNMPを採用しており、リチウムイオン電池向けの導電助剤として利用しやすくなっています。一般的には重量濃度0.4%の分散液が多い中、今回の分散液は1%という高濃度を実現しています。これにより、スラリーの粘度を維持しながらも、高い充填率を実現し、単層CNTの効果を最大限に引き出すことが可能となります。
LIB向け高濃度SWCNT分散液の活用用途と種類
想定用途
リチウムイオン電池向け導電助剤、導電性シート など
ラインナップ
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶媒組成 | 粘度(mPa・s/25℃) | 平均粒径(μm) |
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A215 SW | 単層CNT | 1 | NMP | <1,500 | 5 - 15 |
まとめ
トクシキでは「LIB向け高濃度SWCNT分散液」を開発いたしました。その特徴は- 独自処方にて高濃度化を行い、量産を見据えた条件で分散液を作製しました。
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スラリーの粘度を維持しつつ、単層CNTの高充填化が可能です。