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透明帯電防止包装材の新展開 ―透明帯電防止用CNT分散液(開発品)とは?

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静電気による電子部品の損傷は、微細化が進むICや基板にとって深刻な課題です。そのため輸送・保管段階では、安定した帯電防止性能と基材への適合性を兼ね備えた材料が求められています。


透明帯電防止用CNT分散液とは?

従来材料の限界

帯電防止包装材として従来利用されてきた材料には課題がありました。導電性高分子(PEDOT:PSS)は透明性に優れるものの湿度依存性が大きく、長期安定性に欠けます。カーボンブラックは高い導電性を示す一方、黒色不透明であり中身が見える包装には不向きです。また、ITOATOといった酸化物系ナノ粒子分散液は高い透過率を持ちますが、脆性や高コスト、加工性の制約が実用展開を阻害してきました。
 

CNT分散液の特性と優位性

CNT(カーボンナノチューブ)は一次元ナノ材料であり、少量の添加で導電経路を形成できるため、透明性と導電性の両立が可能です。さらに分散液化により、フィルム基材への均一コーティングが実現でき、表面抵抗値を**10^610^9 Ω/□**の範囲で制御可能です。添加量が少ないため樹脂本来の光学特性や機械的特性を保持できる点、そして柔軟性・耐久性に優れる点は、従来技術に対する大きな優位性といえます。

製品展開と応用領域

トクシキが開発した透明帯電防止用CNT分散液には、単層カーボンナノチューブを用いた「9487 SW」と多層タイプ「9922 MW」があります。前者は高透過率を必要とするICチップやプリント基板包装に適し、後者はやや透明性は劣るものの、汎用性とコストバランスに優れ幅広い応用が可能です。いずれも添加量調整により導電性を任意に設定できるため、エレクトロニクス包装全般に適用範囲が広がります。
透明帯電防止用CNT分散液は、従来素材の課題を克服しつつ、透明性・耐久性・導電性を高水準で両立できる新材料です。エレクトロニクス輸送分野において、今後の標準技術として普及していく可能性が高いと考えられます。

透明帯電防止用CNT分散液の活用用途と種類

想定用途

包装材、バッグ、ビニールカーテン、ICトレー、クリーンルーム窓、観察窓など

ラインナップ

製品名 フィラー種 フィラー分(%) 溶媒組成 固形分(%) 粘度(mPa・s/25℃) 平均粒径(nm)
9487 SW 単層CNT 0.2 酢酸ブチル 0.8 40~200 9~19
9922 MW 多層CNT 5.0/td> 酢酸ブチル 5.4 5~15 0.5~1.0

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まとめ

トクシキでは「透明帯電防止用CNT分散液」を開発いたしました。その特徴は

  • カーボンナノチューブ(CNT)を微粒化した導電性分散液です。
  • 樹脂に添加することで透明(9487 SW)、半透明(9922 MW)の帯電防止膜を作製できます。
  • 顔料の添加量を調整することで、任意の導電性を付与することが可能です。

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