高濃度低誘電率フィラー分散液(開発品)とは?
前回5G(第5世代移動体通信システム)の高速化・大容量化、低遅延化、多数接続化を実現するファクターとして「低誘電率化」した回路基板材料を使用することが有効であることをお話しいたしました。「低誘電率化」実装させるフィラー種として球状シリカや球状ナノ窒化ホウ素が注目されています。球状シリカは電子材料、特に半導体などを保護するフィラーとしてよく用いられておりますが、特殊な球状シリカを用いることで「低誘電率化」を実装させております。球状シリカは低誘電率の他に低熱膨張(CTE)特性があり、寸法安定性(付与)に優れます。
また窒化ホウ素は熱伝導性に優れた物質として有名ですが、同時に優れた絶縁性、低誘電率を持っております。(六方晶)窒化ホウ素は鱗片状ではなく球状ナノ粒子である為、低誘電率の他に異方性の制御を必要としない放熱が期待できます。
トクシキではこれらのフィラーを低誘電率を実現させるフレームワークに高濃度分散させた「高濃度低誘電率フィラー分散液」を開発いたしました。
特長として、低誘電率フィラーが均一に分散され、経時安定性も良好です。高濃度フィラー含有量でありながら低粘度な為、ハンドリング性が良く目的物への高充填が可能です。また、ポリイミド(PI)/液晶ポリマー(LCP)/エポキシ/ビスマレイミド/シクロオレフィンポリマー(COP)/ポリフェニレンエーテル(PPE)等の低誘電率材料(ワニス等)向けへの充填を想定し、PGMEAの他NMP/DMAc/シクロヘキサノン(アノン)/MEKを主溶剤として分散しておりますが、ご要望に応じて各種(ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等)カスタマイズ可能です。
高濃度低誘電率フィラー分散液(開発品)
活用用途:
各種機能性接着剤、シール剤、封止材、絶縁材、放熱材、電子(基板、部品)材料等
ラインナップ:
製品名 | 顔料・フィラー | 顔料分(%) | 平均粒径(nm) | 媒体 |
---|---|---|---|---|
LDSS-0001 | 球状シリカ | 75 | 350-400 | PEGMEA |
LDBN-0001 | 球状ナノ窒化ホウ素 | 40 | 280-340 | PEGMEA |
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まとめ
- トクシキでは球状シリカや球状ナノ窒化ホウ素といった低誘電率を実装させるフィラーを低誘電率を実現させるフレームワークに高濃度分散させた「高濃度低誘電率フィラー分散液」を開発いたしました。
- 低誘電率フィラーが均一に分散され、経時安定性も良好です。高濃度フィラー含有量でありながら低粘度な為、ハンドリング性が良く目的物への高充填が可能です。
- トクシキでは、ご要望に応じて各種(ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等)カスタマイズ可能です。