今回はチタン系黒色顔料を分散して使いやすくしたチタン系黒色顔料分散液の特徴や活用用途をご紹介いたします。
チタン系黒色顔料分散液とは?
黒色顔料の代表格と言えばカーボンブラックであり、様々な用途に使用されています。しかし黒色の顔料はカーボンブラックだけではありません。特徴ある顔料の一つに今回ご紹介するチタン系黒色顔料があります。チタン系黒色顔料には電気絶縁性が高く、さらに顔料の濃度や熱の影響を受けにくいという特徴があります。下のグラフをご覧いただくと分かるように、一般的なカーボンブラック分散液と比較してチタン系黒色顔料分散液はそもそも表面抵抗値が高いのですが、さらに安定的に抵抗値が高く出ています。一般的なカーボンブラック分散液はOD値が上がってくると塗膜内のストラクチャーがつながることにより急激に電気抵抗値が下がってくるのに対して、チタン系黒色顔料分散液はその変化がなく、常に高い抵抗値が維持されていることが分かります。また、高温(今回は200℃雰囲気中)の状況下でカーボンブラック分散液は経時で抵抗値が下がってくるのに対してチタン系黒色顔料分散液はやはり変化がありません。
※分散液は9516TBを使用しております。
その他、チタン系黒色顔料分散液は安全性が高いという特徴があります。無機のブラックには他にクロム酸を主体とした顔料があります。これは3価のクロムを用いておりますので通常は毒性はありませんが、焼成するなど何らかの変化で毒性の強い6価のクロムに変化することが否定できません。
それに比べて、チタン系黒色顔料分散液は磁性を持たないため、分散性・安定性に優れております。また化粧品原料の素材などにも用いられるほど安全性があると言えます。
また、チタン系黒色顔料分散液はチタン化合物を原料としているので着色力・隠ぺい力に優れ、耐薬品性にも優れます。
トクシキのチタン系黒色顔料分散液はウレタン、アクリル、ポリエステルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持たせ、非常に使いやすく致しました。
チタン系黒色顔料分散液の活用用途とラインナップ
活用用途:
電子材料向け黒色塗料/インク、黒色レジスト等
ラインナップ:
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 粘度(mPa・s/25℃) | 溶媒 |
---|---|---|---|---|
9516TB | チタン系黒色顔料 | 20.0 | 2.00 ~ 3.50 | PGMEA |
9517TB | チタン系黒色顔料 | 20.0 | 2.00 ~ 3.50 | 水 |
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まとめ
- トクシキのチタン系黒色顔料分散液は電気絶縁性が高く、濃度や温度変化による表面抵抗値の変動が極めて小さいです。
- トクシキのチタン系黒色顔料分散液はウレタン、アクリル、ポリエステルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性があります。
- トクシキのチタン系黒色顔料分散液は安全性が高く、着色力・隠ぺい力に優れ、耐薬品性にも優れます。