透明導電性(ATO)分散液(開発品)とは?
ATOをはじめとする導電性金属酸化物は、表示デバイス用の電極や太陽電池用電極、凍結防止膜などで広く用いられています。導電性金属酸化物が導電性をもつ所以は、結晶構造の酸素欠陥に起因する自由電子の移動によります。
今回ご紹介する透明導電粉末(ATO)は酸化錫に5価のアンチモンをドーピングしたものです。液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで用いられているITO電極膜と比較すると表面抵抗値は高く導電性はやや劣りますが、レアメタルであるインジウムを用いているITOと比較するとコストメリットがあります。またATOは、紫外及び近赤外領域の波長を遮蔽する特徴を併せ持っています。
トクシキでは、ATOを、分散剤/溶媒(水)で分散させ、使いやすい分散液にいたしました。水溶性のポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各樹脂水溶液と幅広い相溶性を持ち、それらを使用した成型体または塗工対象物に導電性を付与させることができます。また前述のように赤外領域の波長を吸収するので、熱線カット材として用いることも期待できます。
透明導電性(酸化亜鉛)分散液(開発品)とは?
導電性酸化亜鉛は、酸化亜鉛に異種元素をドーピングすることにより導体化した酸化亜鉛粉末です。アンチモンフリー透明導電素材であり、また資源が豊富でATOよりさらに安価なことから、今後ITOやATOの代替素材として有望視されています。ATOには及びませんが高い導電性が得られ、表面平坦性では優れた特徴を持っています。
トクシキでは、導電性酸化亜鉛を、分散剤/溶媒で分散させ、使いやすい分散液にいたしました。ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各樹脂溶液や各種溶剤などと幅広い相溶性を持ち、それらを使用した成型体または塗工対象物に帯電防止性能を付与させることができます。
さらに紫外線(UV)の遮蔽効果および抗菌性も有しています。
透明導電性(ATO)分散液と透明導電性(酸化亜鉛)分散液の活用用途とラインナップ
活用用途:
透明導電粉末(ATO)分散液OA機器向け、各種フィルム用途など
帯電防止塗料、導電性塗料、導電性プライマー、熱線カット塗料向け
導電性酸化亜鉛分散液
OA機器向け、各種フィルム用途など
帯電防止塗料、紫外線カット塗料、抗菌塗料向け
ラインナップ:
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶剤組成 | 表面抵抗値(Ω/□) |
---|---|---|---|---|
9387SN | 酸化錫 | 30 | 水 | 2.0×105 |
9406ZO | 酸化亜鉛 | 30 | 水 | 4.0×108 |
9407ZO | 酸化亜鉛 | 30 | PGMEA | 7.0×108 |
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まとめ
- トクシキでは、透明導電性分散液として透明導電性(ATO)分散液(開発品)と透明導電材(酸化亜鉛)分散液(開発品)があります。
- トクシキの透明導電性分散液を使用することにより、成型体または塗工対象物に導電性や帯電防止性能を付与させることができます。
- ATOは紫外線(UV)および近赤外線(熱線)カット効果を有し、酸化亜鉛はUVカット効果と抗菌/抗ウイルス性を有しております。