この記事では低誘電率ブラック(黒色)分散液(開発品)の特徴、種類、活用用途をお案内いたします。
低誘電率ブラック(黒色)分散液(開発品)とは？
通信の世界では５G（第５世代移動体通信システム）が商用化され、それに対応したデバイスがすでに各社からリリースされています。５Gは高速・大容量、低遅延、多数接続と４Gと比較して大きく進化しています。その中で「低遅延」を実現するファクターとして「低誘電率化」した回路基板材料を使用することが有効だと言われています。誘電率とは、電気絶縁体に電圧をかけると、電気は通りませんが電子の偏りが生じます。この現象を分極と呼びます。誘電率はこの分極の度合いを示す特性です。誘電率が低い材料ほど絶縁体中に蓄えられる静電エネルギー量が小さく、絶縁性に優れていると言えます。
回路基板材料の誘電率を低くすることで、演算速度を高速化や５Gなどで用いられる高周波数領域の使用に耐えられるようになります。
トクシキでは低誘電率のフレームワークとフィラーの分散という切り口の両面から機能性や意匠性を満たす製品づくりを志向いたしました。低誘電率ブラック(黒色)分散液は、一般的な黒色ナノ粒子（カーボンブラック）よりも低誘電率化の観点で大きな優位性があります（誘電率を低く維持することができます）。またポリイミド（ＰＩ）や液晶ポリマー（LCP）等の低誘電率材料（ワニス等）への意匠性（黒色）付与、回路隠蔽等を想定し、NMP/DMAcを主溶剤として分散（および相溶性合わせ込み設計）をしております。
その他、エポキシ/ビスマレイミド/シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）/ポリフェニレンエーテル（PPE）等、低誘電率材料向けのシクロヘキサノン（アノン）/MEK等への溶剤変更等および相溶性改良等のカスタマイズもご相談下さい。
低誘電率ブラック(黒色)分散液(開発品)の活用用途とラインナップ
活用用途：
低誘電率材料（ワニス）等、電子（基板、部品）材料への意匠性（黒色）付与、回路隠蔽および遮光等
ラインナップ:
| 製品名 | 顔料・ﾌｨﾗｰ | 顔料分(%) | 平均粒径(nm) | 媒体 |
|---|---|---|---|---|
| LDBC-0001/0002 | 炭素(特殊処理)系 | 20 | 90-130/100-140 | ＮＭＰ |
| LDBO-0001 | 有機(顔料)系 | 20 | 250-290 | ｱﾉﾝ |
| LDBM-0001 | 金属(化合物)系 | 20 | 100-130 | ＮＭＰ |
＊相溶性（ガラス基板上に顔料：樹脂＝2：98/着色濃度の樹脂液を塗布→乾燥）
左：相溶性合わせ込みなし→凝集・非着色 右：相溶性合わせ込みあり→良好な着色・発色
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まとめ
- トクシキの低誘電率ブラック(黒色)分散液(開発品)は、一般的な黒色ナノ粒子（カーボンブラック）よりも低誘電率化の観点で大きな優位性があります（誘電率を低く維持することができます）。
- ポリイミド（ＰＩ）や液晶ポリマー（LCP）等の低誘電率材料（ワニス等）への意匠性（黒色）付与、回路隠蔽等を想定し、NMP/DMAcを主溶剤として分散（および相溶性合わせ込み設計）をしております。
- トクシキでは、ご要望に応じて各種（ターゲット材料との相溶性改良/溶剤変更等）カスタマイズ可能です。
