
今回はこの曇りという現象に着目し、トクシキが開発している曇りを防ぐコート剤、すなわち防曇コート剤の特徴や種類、活用用途についてご紹介いたします。
防曇(超親水)コート剤とは?
前述のようにメガネが部屋や電車の中で曇る分には笑い事で済みますが、産業用のセンサー、監視カメラのレンズ、自動車のガラスなどが曇ると生産性や危険性に大きく影響します。このような曇りを防ぐ機能を発揮させる表面状態は、一般的に水との接触角が低いものが多く、40°未満のものを親水、その中でも特に接触角が10°以下になるものを超親水と呼びます。水との接触角が低くければ、水は表面に拡散し曇りは発生しません。
スチーム等は水滴が非常に細かくなったものであり、フロントガラスや鏡の曇りの原因となります。親水性表面においてはこの微細な水滴が形成されないため、クリアな視界が保たれます。このような機能を防曇機能と呼びます。
親水性を発現するタイプとしては、大きく有機系と無機系に分かれます。
①無機系
酸化チタンを代表とする光触媒がそれにあたります。太陽光(主に紫外線)によって酸化チタン表面に親水性の高い水酸基(-OH基)を形成することによって、水分子との親和性が上がり親水性を発現します。
ただし太陽光がないと親水性が発揮できないという問題があります。最近では可視光でも光触媒効果を発揮できるタイプもありますが、まだ高価ですので汎用化されておりません。
また、親水性のもとになる経路上で酸化力が非常に強い物質が生成するため、樹脂や基材などの有機物を分解してしまう事があります。無機系のコーティングおよび基材への用途に多く使用されています。
②有機系
イオンや、親水基を樹脂中に含んでいるタイプが多くみられます。親水性を発現するのに光を必要としないという特長がありますが、耐久性や親水性の持続性に問題点があります。
樹脂系のため、塗工や硬化方法は選択できる幅が広く成形しやすいのがメリットです。その他透明性が酸化チタンに比べて高いのもメリットになります。
トクシキの開発した防曇(超親水)コート剤は樹脂系の熱硬化タイプのコート剤です。特長は以下の通りです。
①水に対して低接触角のため、水滴ができずに塗膜に水が広がっていきます。
②弱い自己修復性があるため同様のアクリル系塗膜に比べて擦傷性に優れています。
熱硬化タイプですので、塗膜に様々なフィラーを加えることが可能です。

防曇(超親水)コート剤の活用用途とラインナップ
用途:
ガラス、プラスチックなどの各種基材への防曇コーティングラインナップ:
製品名 | 接触角 | 透過率 | 硬度 | 特長 |
---|---|---|---|---|
AR - 9002 | < 5 ° | 90.4 | F | 柔軟性樹脂品 |

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まとめ
- 防曇(超親水)コート剤とは、塗膜と水の接触角が低い親水性の表面にするコート剤を指します。
- トクシキの開発した防曇(超親水)コート剤は樹脂系の熱硬化タイプのコート剤です。
- このコート剤は、水に対して低接触角のため、水滴ができずに塗膜に水が広がり、防曇性が期待できます。
- 弱い自己修復性があるため同様のアクリル系塗膜に比べて擦傷性に優れています。
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