今回トクシキでは新たな特徴を持つ透明導電性分散液(ATO、PTO)の開発をいたしましたので、その特徴や種類、活用用途をご紹介いたします。
透明導電性分散液(ATO、PTO)とは?
導入部でもご紹介した通り、表示デバイスの電極や太陽電池用電極として金属酸化物を用いた透明導電材料への注目は近年ますます高まっています。導電性酸化物としてATO(酸化スズにアンチモンをドープしたもの)は従来から広く知られており、ATOは透明性に優れた導電性素材として様々な部材に実装されています。またATOは赤外線(熱線)カット効果も有しています。しかし、ATOはアンチモンの毒性に問題であるため、アンチモンに代えてゲルマニウム、リン、リチウム、亜鉛など別の物質をドープすることで毒性を抑えた高濃度不純物ドープ金属酸化物が開発されるようになりました。とくに酸化スズにリンをドープしたPTOは分散性に優れるという特長を持ちます。
トクシキではATOを分散剤/溶媒で分散した透明導電性分散液に加えアンチモンフリータイプとしてPTOを分散した透明導電性分散液を新たにラインナップに加えました。また、以前ラインナップされていなかった溶剤系タイプのATO分散液も加わりました。
ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各種塗料に添加して塗工することで、帯電防止性能を付与させることができます。
様々な特徴を持つ透明導電性分散液を選択することが可能になり、より使いやすくなりました。
透明導電性(ATO、PTO)分散液の活用用途とラインナップ
活用用途:
OA機器や各種フィルム用途帯電防止塗料、遮熱塗料 など
ラインナップ:
製品名 | 顔料種 | 顔料分(%) | 溶剤組成 | 表面抵抗値(Ω/□) |
---|---|---|---|---|
9387SN | 酸化錫(ATO) | 30 | 水 | 1.4×106 |
9751SN | 酸化錫(ATO) | 20 | PGMEA | 1.0×107 |
9747SN | 酸化錫(PTO) | 20 | 水 | 6.8×107 |
9748SN | 酸化錫(PTO) | 20 | PGMEA | 5.5×108 |
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まとめ
- トクシキの透明導電性分散液は酸化錫(ATO、PTO)を、分散剤/溶媒で分散させた分散液です。
- ポリエステル、ウレタン、アクリルなどの各種塗料に添加して塗工することで、帯電防止性能を付与させることができます。