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酸化セリウム分散液(溶剤系)(開発品)とは?特徴や種類、活用用途についてご紹介

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世の中にあるコート剤に含まれるアクリル・ウレタン・ウレタンアクリレートなどの樹脂の多くは、UV(紫外線)によって経時劣化(変色・脆化)することが知られています。長期間屋外で使用するコート剤には紫外線吸収剤を混合する、またはコート面の上層に紫外線カットコーティングをして、樹脂が紫外線で劣化するのを防ぎます。しかし、コート剤の中に紫外線吸収剤を溶解させると着色したり、UVカットフィラー分散品を混合する場合は透明性が下がったり塗膜表面に凹凸ができる不具合がよく聞かれます。
今回はUVカット効果と透明性を兼ね備えた酸化セリウム分散液(溶剤系)の特徴や種類、活用用途についてご紹介いたします。


酸化セリウム分散液(溶剤系)(開発品)とは?

UV(紫外線)は、波長が10~400nmの可視光線短波長の電磁波で、その中でも比較的波長波長の315~400nmの波長域のものをUVA、280~315nmの波長域のものをUVB、10~280nmの短波長域のものをUVCと呼びます。290nmより波長の短い光はオゾン層によって吸収されるため、地上に到達するUVのほとんどはUVAであると言えます。
紫外線吸収剤やUVカット用コート剤が施されていない合成樹脂製のバケツや洗濯ばさみなどの日常品を屋外に放置しておくと、変色や脆化(ぼろぼろになる)している状況はよく見かけます。
そのメカニズムはUVの高いエネルギーが分子内にラジカルとヒドロペルオキシドを生成させ、それを繰り返すことによりポリマーの劣化が進んでいくことによります。

トクシキの開発した酸化セリウム分散液は、下図の様に400nmより短い波長側の光をカットし、可視光領域より長波長側の光を透過する性質を持っています。
酸化セリウム吸収スペクトル
酸化セリウムというと一般的には研磨剤を思い浮かべる方が多いと思います。通常酸化セリウムは大きな粒子や細かい粒子でも凝集して大きな2次粒子を形成しているため透明性を出すことはできません。
また酸化セリウムは水系の分散液としてよく耳にすることが多いと思いますが、酸化セリウムの微粒子を安定化させる際に酸やアルカリを使って安定させる場合が多いため、水系の樹脂に混ぜようとしても凝集を起こしてうまく混ざらないだけでなく、透明性を出すことも難しい場合が多いと考えられます。また、保存安定性の面でも酸性やアルカリ性に偏った状態で液状を保つのは、樹脂を壊してしまったり長期保存中に水が藻や菌によって汚染する可能性があるため好ましくありません。
トクシキの酸化セリウム分散液は微粒子かつ溶剤系の分散液のため透明かつ紫外線カット能力に優れ、ハンドリング性が良好です。

酸化セリウム分散液(溶剤系)(開発品)の活用用途と種類

活用用途:

UVカットコート剤、耐光型粘着テープ、光学フィルターなど

ラインナップ:

製品名 顔料種 顔料分(%) 溶剤組成 平均粒径(nm)
9841CO CeO2 23(20)* Propylene glycol monomethylether <100
※()内は有効成分

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酸化セリウム分散液(溶剤系)(開発品)のご紹介ページ

まとめ

トクシキの酸化セリウム分散液は、下記の問題点を解決するアイテムとなります。
  • 紫外線吸収剤がコート剤に混ざらない→溶剤系の分散液のためコーティング剤への混合が容易
  • 紫外線をカットする濃度にすると、コーティング膜が不透明になってしまう→粒子が細かいため可視光線領域(400-780nm)の透過率が高い
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